●アンジェス(株):2023/10/05 08:56
米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症の治療用NF-kBデコイオリゴ DNAの後期第1相臨床試験のトップラインデータが発表されたのが2021年4月です。
その後アンジェスの取締役会で、「日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、国内において製品化した場合に事業性を見込めると判断し、日本国内において第Ⅱ相臨床試験を行うことを決定した」と発表したのが2023年1月です。続く3月には日本国内における第Ⅱ相臨床試験について、塩野義製薬との協力に関する契約を締結することを決議したとIRで発表しています。
椎間板は椎体と椎体の間に存在し、脊柱に可動性を持たせながらクッションとして衝撃吸収の役割を果たしています。椎間板は常に力学的負荷を受けており、加齢やストレスなどで椎間板の中央に存在する髄核の水分が減少し、弾力性が低下していきます。そして、腰の痛みが長く続く慢性椎間板性腰痛症になると、患者の日常生活に大きな支障を来たし、仕事の継続も困難になる事態が生じます。
8月14日にアンジェスが関東財務局に提出した四半期報告書では、NF-κBデコイオリゴDNAについて以下のように報告しています。
「米国において椎間板性腰痛症を対象とした後期第Ⅰ相臨床試験を実施し、投与後の観察期間6ケ月間に続き、12ケ月間を経た結果でも、患者の忍容性は高い上、重篤な有害事象も認められず、安全性を確認できました。
現在、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の準備を進めており、臨床試験のプロトコールについても当局の確認を完了しております。なお、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です」と。
国内第Ⅱ相臨床試験の取り組みに関連して臨床研究等の公開システム「jRCT」では、研究名称として「慢性の椎間板性腰痛患者に対するAMG0103の有効性、安全性及び忍容性を評価する第Ⅱ相試験」を企業治験として取り組むことが今年6月に公表されており、現在も慢性椎間板性腰痛症の患者登録が継続されています。
ですので、臨床入りについての医薬品医療機器総合機構の承認、及び治験に向けた準備が整い次第、NF-κBデコイオリゴDNAの国内第Ⅱ相臨床試験についての発表があるのではと思います。