●アンジェス(株):2024/01/30 09:05
昨日1月29日、アンジェスはIRでエメンド社の今後の事業再編成に伴う人員縮小などについて報告しています。
事業再編成の方向性としては、これまでイスラエルのエメンド社研究所で行ってきたOMNIヌクレアーゼの開発にあたり、その探索と最適化を労働集約的に行ってきたが、これまで蓄積された大量のデータをベースに人工知能、機械学習を活用し、知識集約的な研究開発体制に移行する検討と、紛争の勃発による地政学的リスクも考慮して、以下のような研究開発体制の再編成を行うことを発表しています。
<事業再編成の内容>
イスラエルのエメンド社研究所の研究開発機能を集約し、それらの機能を米国に段階的に移管し、米国の拠点化を促進する。イスラエルのエメンド社研究所の施設は
継続して使用するものの、人員については現状から半数以下に削減する検討を行うとされています。
なお、米国で臨床試験の準備を進めているゲノム編集製品並びに他のパイプラインの研究開発を加速するとともに、米国におけるエメンド社のゲノム編集技術の導出等を進める目的で、米国における体制を強化加速して行くとのことです。
<今後の見通し>
具体的な人員削減数、新たな研究開発体制等を策定してきているところであり、事業再編成に伴う2023年度の費用については発生の可能性はあるものの、現時点で詳細は見積りを作成中とのことです。
◆以上の報告から、イスラエルにあるエメンド社研究所の研究開発機能については、米国での臨床開発と地政学的リスクを考慮して、段階的に米国に移管し拠点化を促進する。その関係で、イスラエルの研究所は継続使用するが、人員については半数以下に削減するとのことです。報告からは、報道されたような事業閉鎖ではなく、また110名の全員解雇ではないものの、一定数の人員整理はある様に思います。
なお、1月15日に配信されたフィスコ客員アナリストの佐藤譲氏のレポートのアンジェスResearch Memo(1)で、エメンド社の「重要資産についても安全な場所に移管した」との措置は、企業価値の保存上、必要な対応であると思います。