●アンジェス(株):2024/01/31 08:46
HGF遺伝子治療用製品コラテジェンは、アンジェスが設立以来手がけてきた主力製品ですが、肝細胞増殖因子(HGF)の血管を新生する作用を活用することで、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善に対して、一定の有効性は期待でき、安全性は許容可能と判断するとして、2019年3月26日に厚生労働省から条件及び期限付承認を取得しています。
この条件及び期限付承認では
①重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること。
②条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと。
が承認の条件とされ、その期限は5年となっています。
アンジェスと田辺三菱製薬は、2012年10月に米国における末梢性血管疾患を対象としたコラテジェンの独占的販売権許諾契約を締結しており、2015年6月には日本国内での独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売を担当することになっています。
2019年3月に条件及び期限付き承認を得た以降、コラテジェンの薬価収載が同年9月に決まったことから、条件で定められた目標症例数120例の製造販売後承認条件評価のための販売を2019年9月10日から開始しています。販売を担当する田辺三菱製薬の当時の三津家正之社長は、「投与患者120例は3年ほどかけて集め、データをしっかり組み上げていきたい」と語り、2024年の本承認を得るための決意を語っています。
その結果、2021年12月までには120例の患者登録が完了し、1年間の経過観察を経て、治療を行った120例と比較対照80例との治療効果の差異や、解析計画書に基づいた申請資料の作成し、使用成績比較調査での集計結果から、従前申請の治験結果の再現性が確認できたので、2023年5月31日に厚生労働省に条件解除に向けた本承認の申請を提出し、受理されています。
なお、アンジェスは昨年11月8日に発表した2023年12月期第3四半期決算短信の中で報告していますが、2023年第3四半期の時期にコラテジェンの本承認に向けた審査対応を実施しています。