●アンジェス(株):2024/01/22 08:54
アンジェスがHGF遺伝子治療用製品コラテジェンについて、本承認の申請が厚生労働省から受理されたのが2023年5月なので、8ヶ月になります。本承認申請から承認の可否を決定する審議期間には特段の定めはないのですが、コラテジェンが厚生労働省から条件及び期限付き承認を取得できたのが2019年3月なので、期限とされる5年にあたる2024年の前半には本承認申請の結論が出されるのではないかと思います。
コラテジェンの取り組みの経過を簡単に振り返って見ますが、改正薬事法により、遺伝子治療を含む再生医療等製品に対する条件及び期限付承認制度が導入されたことで、アンジェスは2018年1月に厚生労働省に対して、国内での製造販売承認申請を行っています。そして翌2019年2月に薬事・食品衛生審議会 再生医療等製品・生物由来技術部会での審議で、条件及び期限付製造販売承認が了承されています。その審議結果を受け、医薬品医療機器総合機構(PMDA)がコラテジェンの条件及び期限付き承認が了承されたことを厚生労働省に報告していますが、その中でコラテジェンの承認が了承された理由を以下のように報告しています。
「提出された資料から本品目の標準的な薬物治療の効果が不十分で血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症(閉塞性動脈硬化症及びバージャー病)における潰瘍の改善に対しての本品の一定の有効性は期待でき、安全性は許容可能と判断する。ただし、現時点では情報が限られていることから、製造販売承認後も継続して本品の有効性を評価し確認することが適切と判断する。その期限を5年とする」と。
PMDAからの報告を受け、厚生労働省は2019年3月にコラテジェンの条件及び期限付き承認を行っています。そして同年9月4日に薬価収載が行われたことから、その年の9月10日から120症例の承認条件評価を行うためのコラテジェンの販売を開始しています。
PMDAの診査結果では「現時点では情報が限られていることから、製造販売承認後も継続して本品の有効性を評価し確認することが適切と判断する」となっているので、本承認の診査は市販後調査を経たデータの再現性の内容が審議されると思います。コラテジェンのこれまでの取り組みが認められる審査結果を期待したいと思います。