●アンジェス(株):2023/12/21 08:51
バソミューン社とアンジェスが共同開発してきたTie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)は、新型コロナウイルス感染症肺炎患者向けの治療薬として、2022年1月より米国で前期第Ⅱ相臨床試験として取り組んできました。が、開始した直後から新型コロナ感染者関連の肺炎発症患者が急減したことから、バソミューン社では臨床試験の対象疾患を「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群に広げる」申請を米国FDAに行い、2022年12月に承認を受けています。
臨床試験の進捗状況については、国立公衆衛生研究所と米国医薬食品局が共同で治験及び臨床研究に関する情報を提供しているデータベース「ClinicalTrials.gov」による情報では、バソミューン社のAV-001の前期第Ⅱ相臨床試験の第一次完成は2024年12月に、そして前期第Ⅱ相臨床試験の研究の完了は2025年3月へと変更になっています。
Tie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)の米国における前期第Ⅱ相臨床試験については、11月15日に独立データ安全性モニタリング委員会(IDSMB)から現在実施中の第Ⅱ相臨床試験における安全性について肯定的評価を受けています。
このことについて、バソミューン社の社長兼最高執行責任者のブライアン・E・ヤーンズ博士は、「独立データ安全性モニタリング委員会より、急性呼吸窮迫症候群患者を対象としたAV-001の有効性、安全性、忍容性を評価する第Ⅱ相臨床試験の継続が推奨されたことをお知らせできることを嬉しく思います。我々は、Tie2シグナルを回復させることにより、内皮の安定性を促進し、バリア防御を強化し、血管漏れを阻止することで、患者の予後を大幅に改善できると確信しています」と述べています。
なお、昨日の11月20日の日本経済新聞の記事では「米疾病対策センターによると12月上旬のコロナ新規入院患者数は一ヶ月前と比べて6割増えたと伝えていて、重症化するケースも増えている」と報道されています。
2023年12月期第3四半期決算短信(11月8日発表)では、「AV-001の前期第Ⅱ相臨床試験の登録進捗に向け、当第3四半期には米国において臨床試験を実施する医療機関増設の準備を実施している」ことが報告されています。