●アンジェス(株):2023/12/11 08:54
バソミューン社が開発してきたTie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)は、中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると判断し、2022年1月より米国で前期第Ⅱ相臨床試験として取り組んできたものです。が、開始した直後から、コロナウイルスが変異株に置き換わったこともあり、コロナ感染者関連の肺炎発症患者が急減したことから患者確保が難しくなり、バソミューン社では臨床試験の対象疾患を「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS) に広げる」申請を米国FDAに行い、2022年12月に承認を受けています。
こうした経過もあり、米国国立公衆衛生研究所と米国医薬食品局が共同で、治験及び臨床研究に関する情報を提供しているデータベースのClinicalTrials.govによる情報では、バソミューン社のAV-001の前期第Ⅱ相臨床試験の第一次完成は2024年12月に、そして前期第Ⅱ相臨床試験の研究の完了は2025年3月へと変更になっていまることからもわかるように、AV-001の前期第Ⅱ相臨床試験の進捗状況が当初想定より遅れています。
なお、バソミューン社とアンジェスが共同開発をしているTie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)の前期第Ⅱ相臨床試験については、今年11月15日にアンジェスのIRで発表されたように、米国における独立データ安全性モニタリング委員会から、今後の治験について肯定的な勧告を受けたことを発表しています。
バソミューン社の社長兼最高執行責任者のブライアン・E・ヤーンズ博士は「急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者を対象にAV-001の有効性、安全性、忍容性を評価する前期第2相臨床試験の継続を、独立データ・安全性監視委員会が推奨する発表をしたことを嬉しく思います」と語っています。今後、米国での臨床試験を実施するために、医療機関増設の準備を実施しているとのことです。
なお、10月17日に配信されたフィスコ客員アナリストの佐藤譲氏が執筆した「アンジェス Research Memo」では、AV-001の前期第Ⅱ相臨床試験について「今後状況を見ながら中間解析を行うことも検討」しているようだと伝えられています。