●アンジェス(株):2023/10/07 10:51
アンジェスと、カナダのバソミューン社が共同開発してきたTie2受容体アゴニスト化合物(AV-001)は、もともと急性呼吸窮迫症候群の治療薬として開発してきたものですが、アメリカ食品医薬品局開(FDA)の許可を受けて第1相臨床試験の取り組みを開始した2020年11月の時期は、新型コロナウイルス感染症が世界的な流行となっていた時期で、新型コロナウイルス感染症による重度の感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると判断され、治験に取り組んできた経過があります。
AV-001の前期第Ⅱ相臨床試験については安全性、忍容性、有効性を調べることを目的に2022年1月より米国で取り組まれてきました。当初、一次完成の時期は2022年5月30日となっていたものですが、米国での新型コロナウイルス感染症の感染者が急減したこともあり、臨床試験の完成時期を延期した経過があります。
そのためバソミューン社では、新型コロナウイルス感染症による肺炎で呼吸不全を起こす患者数も減少傾向にあったことから、臨床試験の対象疾患については「インフルエンザ等のウイルス性及び細菌性肺炎を含む急性呼吸窮迫症候群(ARDS) に広げる」申請を米国FDAに行い、2022年12月にFDAから承認を受けています。
この前期第2相臨床試験の目標集積症例数は120例で、今年8月9日に発表された2023年12月期第2四半期決算短信の中では「2023年度は、前期第Ⅱ相臨床試験の目標症例数の登録を目指してまいります」と報告されていました。
しかし、治験及び臨床研究に関する情報を提供している世界最大と言われているデータベースのClinicalTrials.govによる情報ではバソミューン社のAV-001の前期第
Ⅱ相臨床試験の完了予想時期が次のように変更されています。
Primary Completion: December 2024(第一次完成 2024年12月)
Study Completion: March 2025(研究の完了 2025年3月)
◆2023年3月に発表された「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」の中では、「米国での急性呼吸窮迫症候群の患者数は26万人」とされているのでAV-001の
前期第Ⅱ相臨床試験で、良い結果が出ることを期待したいと思います。