●アンジェス(株):2023/07/28 08:56
オーストラリアで実施された高血圧症を対象とした、DNAワクチンの第1/前期第2相臨床試験は18〜79歳の軽度から中等度の高血圧患者24例を対象として実施したものです。治験結果については2021年7月に、日本高血圧学会の学会誌「高血圧研究(Hypertension Research)」に掲載されましたが、治験については企業治験であることから大阪大学からは学会誌への執筆に当たった中神啓徳教授をはじめ森下竜一教授、そして、アンジェスからは山田英社長や石濱哲也氏らが名前を連ねています。
論文の要旨は、安全性に問題がなく、DNAワクチンを投与した患者では、特に高用量群で抗アンジオテンシンⅡ抗体の産生が多く認められ、同ワクチンに対する忍容性は良好との結果を得ることができたとされています。ただ、治験結果については被験者ごとに抗体価にバラつきがあるため、今後はプラスミドDNAの発現量を増やすなどの技術的な改善を図っていく必要があるとされています。
5月10日に発表された「2023年12月期 第1四半期決算短信」でも、高血圧治療用DNAワクチンの今後の開発については、「新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討を進めてまいります」と、報告されています。
こうした報告にあるように、高血圧治療用DNAワクチンについて「新型コロナウイルスのDNAワクチンとは異なるプラスミドDNAの発現に関する改善策などの検討」や、「プラスミドDNAの発現量を増やすなどの技術的な改善を図っていく」ことは、研究開発に係る内容なので詳らかには出来ないと思いますが、その改善策の検討にどの程度の期間を要するのか、大まかな目途を示して戴けたらと思います。
高血圧治療薬は毎日、忘れないように服用することが必要で、高齢者の方にとっては飲み忘れなどのリスクもあるので、一日も早い開発を望んではいます。
が、創薬の成功には時間を要することは株主の方々も理解しているので、その期間がどの程度掛かるのかを大まかにでも示して戴ければ、株主の皆さんからもその成功に向けた応援が続けられるのではないかと思います。