●アンジェス(株):2023/07/19 12:07
「元」さんへ(その2)
次にゾキンヴィの国内販売とACRL、つまりアンジェスクリニカルリサーチ
ラボラトリーの検査業務は関連があるので、一緒に論じてみたいと思います。
アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーでの検査対象は現在は9疾患が
対象になっていますが、治療法が確立していることが前提となっています。
早老症治療薬ゾキンヴィについては、3月28日に厚生労働省により希少疾病
医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されましたので、早ければ2023年の
年内承認もあり得ると思います。
そうすると、アンジェスクリニカルリサーチラボラトリーでの検査対象に
早老症が加わり10疾患が検査対象になります。第24期定時株主総会終了後に
開催された会社説明会で、山田社長はアンジェスクリニカルリサーチ
ラボラトリー(ACRL)の取り組み状況について、次のように話しています。
「ACRLは希少疾患性の検査を受託しており、現在、首都圏の新生児の遺伝性
疾患の有無を調べる有償検査を実施しております。2021年4月に開始してから
わずか1年半の経過ですが、現在は1年間で1万件の検査を受託するところ
まできました。ACRLは、他の検査所では検査できない疾患も検査項目に含まれ
ているため、各地の自治体や企業から、検査の委託先として問い合わせを戴い
ております」と。
アンジェスが5月12日に発表した「早老症治療剤ゾキンヴィの承認申請に
関する補足説明資料」のIRの中で紹介されていますが、いわゆる希少疾患
と言われるものは5000~8000種類の疾患があり、そのうち8割は遺伝性疾患で
世界では3億5000万人の患者がいるとのことです。
これらの疾患は、これまで根本的な治療法がなかったのですが、ゲノム編集の
進歩により、一歩一歩治療法が確立できる時代を迎えているのです。
そうすれば、早期発見と治療法が結びつき、アンジェスクリニカルリサーチ
ラボラトリーの受託件数も増えていくものと思います。
現在はアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーの経費の方が収益より
多いのが現状ですが、そう遠くない時期にアンジェスクリニカルリサーチラ
ボラトリーの有料検査業務で収益を生み出す時期が来るのではと思っています。