●アンジェス(株):2023/05/28 09:25
川崎に開設された旧衛生検査所は、2022年2月にアンジェスクリニカルリサーチラボラトリーと名称が変更されています。その検査所では厚生労働省の支援を受けて、各自治体が公費で実施しているマススクリーニング検査(20疾患を対象)以外の希少遺伝性疾患について、「⼀般社団法人:希少疾患の医療と研究を推進する会」が提供する有償オプショナルスクリーニング検査を受託しています。
第24期定時株主総会終了後に開催された会社説明会で、山田社長はアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)の取り組み状況について、次のように話しています。
「ACRLは希少疾患性の検査を受託しており、現在、首都圏の新生児の遺伝性疾患の有無を調べる有償検査を実施しております。2021年4月に開始してから、わずか1年半の経過ですが、現在は1年間で1万件の検査を受託するところまできました。ACRLは、他の検査所では検査できない疾患も検査項目に含まれているため、各地の自治体や企業から、検査の委託先として問い合わせを戴いております」と。
この有償オプショナルスクリーニング検査は、生後間もない乳児から採血して希少遺伝性疾患の有無の可能性を調べ、発症前の早期段階から治療を始めることで、症状の進行を抑える効果が期待されていいます。
「希少疾患の医療と研究を推進する会」では、一部の医療機関と連携して普及啓蒙活動に取り組んでおり、現在検査可能な疾患は、ムコ多糖症(I型、II型、IVA型VI型)、ポンペ病、ファブリー病(男子のみ)、副腎白質ジストロフィー(男子のみ)、脊髄性筋萎縮症、重症複合免疫不全症の9種類となっています。
なお、アンジェスが承認申請を準備している早老症治療薬ゾキンヴィについては、3月28日に厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)に指定されています。 オプショナルスクリーニング検査は、治療法があることが前提となっていますのでゾキンヴィが承認されれば、その対象疾患も有償検査の対象になり、検査対象が拡大することになります。