●アンジェス(株):2023/04/06 09:17
昨日4月3日付けのIRで、第42回新株予約権の月間行使状況が報告されました。3月の行使は8日の50万株と27日の30万株の計80万株が下限行使価額124円で行使されたことにより9920万円の資金調達ができました。これで3月末時点での累計資金調達額は46億460万円となっています。
当初設定された目標資金調達額の行使価額は224円となっているので、その金額は85億1200万円となっていますが、3月末時点での累計資金調達額では39億740万円の不足となります。仮に、未行使の385万株が下限行使価額の124円で行使できたとしても調達額は4億7740万の追加で50億8200円となりますが、目標資金調達額から見ると34億3000万円の不足となります。
第42回新株予約権の募集時期は2022年9月26日でしたが、同年9月7日には新型コロナワクチン(武漢型)の開発中止と、HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの慢性動脈閉塞症における安静時疼痛の適応追加に向けた国内開発の中止が同時に発表されたこともあり、翌9月8日の初値は前日終値の316円から64円もさがるスタートになり、終値は-39円の277円となっています。以降、株価は漸減傾向が続き現在は下限行使価額124円も割る日が多く、3月は50万株と30万株の2回しか行使が出来ていないのです。こうしたこともあり、現在は継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在していると判断されている状況となっているのです。
この解消のためには、現在取り組んでいる第42回新株予約権の未行使分を完了させること、そして第43回新株予約権の募集時期については、株主総会で第1号議案の発行可能株式総数が2億5000万株から7億株に承認されたからとして、漫然と実施するのではなく企業価値の向上を検討した上で、タイムリーな時期設定をするべきです。そして当面の課題として、2023年春に予定されているHGF遺伝子治療用製品コラテジェンの本承認を得るための申請手続きを完了させること、及びエメンド社が取り組んでいる先天性好中球減少症について、臨床試験入りの申請(IND)を企業プレゼンテーションの方針に基づいて、2023年第3四半期の時期に行うことをキッチリと取り組んで戴きたいと思います。