●アンジェス(株):2021/06/29 07:44
【MINKABU】
◆新型コロナウイルスワクチンは
...........第2/3相臨床試験結果を見て開発方針を決定(その1)
新型コロナウイルス感染症ワクチンについては2020年12月以降、欧米などで米ファイザーやモデルナ〈MRNA>、イギリスのアストラゼネカなど大手製薬企業の開発した製品の承認が相次ぎ、集団接種が開始されている。国内においてもファイザーのワクチンが特例承認を受けており、医療従事者や高齢者を対象に予防接種が始まっているほか、5月末にはモデルナやアストラゼネカのワクチンも承認された。
アンジェス<4563>が2020年3月より大阪大学と共同で開発しているプラスミドDNA※1製法を用いたワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子をプラスミドに挿入し、このプラスミドを大腸菌で大量培養した後にDNAを抽出して製剤化する。無害化されたDNAワクチンを投与することで、新型コロナウイルスに対する免疫(抗体)※2を作り、感染症の発症や重症化を防ぐことが可能となる。
現在の開発状況については、2020年12月より開始した第2/3相臨床試験(予定症例数500例)の被験者登録が2021年3月に終了し、現在は経過観察とデータ収集を行っている段階にあると見られる。今回の試験では、用量2.0mgを2週間隔で2回接種するグループと、4週間隔で2回接種するグループに分けて実施し(各グループ250例のうち50例はプラセボ)、数ヶ月間の経過観察期間を経て、ワクチンの用法及び用量における安全性と免疫原性の評価を行うこととなる。データが纏まり次第、発表する方針で、その結果に基づいてPMDA((独)医薬品医療機器総合機構)と協議しながら今後の開発方針を決定していくことになる。
第3相臨床試験に進む場合は、通常であれば症例数で1万人~数万人規模になる可能性があり、国内だけでなく海外でも臨床試験を進めていくことになると予想されるが、日本政府が掲げる国産ワクチン戦略次第というところもあり、動向が注目される。ワクチンの国産化は将来のことも見据えると重要性が高いと考えられるため、第2/3相臨床試験の有効性評価において先行するワクチンと同等以上の効果が確認されれば、助成金が付く可能性も高いと弊社では見ている。