●アンジェス(株):2023/01/06 08:55
以下の文は、フィスコ客員アナリスト佐藤譲氏が、昨年12月にアンジェスの研究コラムとして発表したものです。
ゲノム編集を従来技術よりも安全かつ高精度に実現できる技術を有するEmendoが、2023年内に臨床試験入りを目指している。希少疾患であるELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とした臨床試験で、POC取得後に製薬企業への導出を目指す。その他にも眼疾患や血液疾患など複数のパイプラインの開発を進める予定だ。また、Emendoのゲノム編集技術「OMNIプラットフォーム」に関心を寄せる製薬企業やバイオベンチャーも多く、同技術のライセンス供与に向けた協議も並行して進めている。Emendoでは同技術の適応対象となる遺伝性疾患の市場規模が1兆円を超えると試算しており、潜在的な成長ポテンシャルは極めて大きい。米国ではゲノム編集技術に対する投資家の注目度も高く、臨床開発段階のバイオベンチャーの時価総額も数億ドルから数十億ドルの評価がなされている。パイプラインの本数や開発状況、ライセンス契約の有無等にもよるが、Emendoについても臨床開発段階でIPOを行い、株式市場から開発資金を調達していくことを視野に入れている。
では、当のエメンド社はIPOについて、どのように考えているのか。2022年10月にエメンド社の社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が起草したエメンド社の運営方針がHPで紹介されていますがこの中で、ゲノム編集技術による企業価値を高め、交渉中の重要なライセンスアウト取引を実現し、その上でIPOの実現によって、高い評価と強力な市場地位を持つ企業を展望する出口戦略が記述されています。
そして、デビッド・バラム博士が起草したエメンド社の「価値提案」の結びの中で「Emendoは、まだ評価されていないAnGesの重要な価値の隠れた源泉を提示します。市場によって」と記述されているのです。そのために市場地位を確保している同等のゲノム編集企業の上場状況や、ライセンス取引状況も金額を含めて調査しているのです。レジュメ的な文体ですが、本気度が伝わってくる内容と思います。