●アンジェス(株)：2022/11/15 08:44

米国ボストンで、11月29日～12月１日に開催される「第３回CRISPR 2.0サミット」で、エメンド社のラフィ・エマニュエル上級副社長と、アイラ・ゴトリフ副社長の二人が講演することになっています。

◆ラフィ・エマニュエル上級副社長の演題は「「CRISPRベースの治療のための新規ヌクレアーゼの特定と最適化」となっています。講演内容はエメンド社が「オフターゲット効果」を回避して、安全な医療応用を目指すOMNIプラットホーム技術を確立したことが報告されると思います。これを機にエメンド社では、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております。

なかでも、ELANE好中球エラスターゼ遺伝子（ELANE）の異常によるELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療については、米国での治験についてアメリカ食品医薬品局（FDA）と協議を開始している段階に至っています。

◆アイラ・ゴトリフ副社長の演題は「家族性高コレステロール血症の次世代治療法」となっています。「家族性高コレステロール血症」とは、悪玉コレステロールであるLDLが肝臓に取り込まれて分解されないで血液中に長時間残ってしまう遺伝性疾患で、動脈硬化を引き起こすことがわかっています。

治療法としては食事療法に加えて、スタチンをはじめとする脂質低下薬により、治療をします。薬剤の効果が十分でない場合が多く、効果が足りなければエゼチミブ、レジン、プロブコールを使用したり、注射薬のPCSK9阻害薬（エボロクマブ）、MTP阻害薬（ロミタピド）を使用しますが、それでも効果が足りない場合に、LDLアフェレシスという治療法があります。

LDLアフェレシスは、体外循環を用いて悪玉コレステロールであるLDLを取り除くことができる治療法です。これは、腎不全の患者さんに行う人工透析装置に似た器械を用いて、血液から悪玉であるLDLを直接除去する方法です。が、１～２週間に１回の頻度で、一生続ける必要があり患者さんの負担は大変です。

エメンド社では、家族性高コレステロール血症の次世代治療法のために、ゲノム編集による遺伝子治療の確立に向けて臨床開発を進めており、治療の将来像を劇的に変える可能性がある研究を進めています。