●アンジェス(株)：2022/11/04 08:50

「CRISPR 2.0サミット」は、次世代のCRISPRツールがいかにして有効性を根本的に高め、オフターゲット効果を最小限に抑え、効率的な組織特異的送達を可能にし、クリニックを通じてプログラムを進行させるのに役立つかを明らかにするイベントです。最新かつ最大のイノベーションのみを紹介するように共同設計された「第３回CRISPR 2.0サミット」は、CRISPR分野の主要プレーヤーを結束させ、CRISPR遺伝子編集プログラムの市場への道を開くことを目的に開催されます。

その「第３回CRISPR 2.0サミット」は米国ボストンで、2022年11月29日〜12月1日にかけて開催されます。このサミットにはエメンド社から二人の演者が研究成果を発表することになっています。一人は遺伝子の転写と翻訳調節の分野で10年以上の研究経験を持ち、イスラエルのワイツマン科学研究所で分子生物学の博士号を取得しているラフィ・エマニュエル上級副社長です。もう一人の方は細胞生物学と生化学の幅広い知識を持ち、イスラエルのワイツマン科学研究所で生物化学の博士号を取得している方で、エメンド社のニューヨーク本社勤務をしているアイラ・ゴトリフ副社長です。お二人の講演内容を簡単に紹介しておきます。

❶ラフィ・エマニュエル上級副社長の講演内容
研究報告は演題にもあるように「CRISPRベースの治療のための新規ヌクレアーゼの特定と最適化」ということなので、OMNIプラットホーム技術の紹介と、ELANE関連重症先天性好中球減少症の治療に関する報告がされると思います。

❷アイラ・ゴトリフ副社長の講演内容
研究報告の演題は「家族性高コレステロール血症の次世代治療法」となっています。「家族性高コレステロール血症」は悪玉コレステロールであるLDLが肝臓に取り込まれて分解されないで血液中に長時間残ってしまう遺伝性疾患で、動脈硬化を引き起こすことがわかっています。現在の治療薬としては、「スタチン系薬剤」が中心で、それで効果が不十分な場合は「PCSK9阻害薬」の皮下注射が併用されますが、これは2週間に1回、あるいは4週間に1回皮下注射を続ける必要があり患者にとっては不便です。こうしたことが解消される次世代治療法の確立が待ち望まれているので、それに繋がる発表があれば大きな朗報になると思います。