●アンジェス(株):2022/11/18 04:16
◆ エメンド社の科学(パイプラインについて)・・その4
①免疫腫瘍学について
なお、エメンド社では免疫腫瘍学の分野の中でCAR-T細胞についても、研究対象に取り上げています。がんに対する免疫療法の一種であるCAR-T(カー・ティー)細胞療法は、患者さん自身の血液から免疫細胞(T細胞)を取り出し、がん細胞を攻撃できるように体の外で加工して注射を行う新しい治療法です。が、体の中でCAR-T細胞が増えながらがん細胞を攻撃する過程でT細胞の「老化」が進んでしまい、長期間にわたる治療効果が得られにくいことが問題点としてわかっていますが、通常の製造方法ではCAR-T細胞の老化を止めることは不可能でした。こうした点をどのように克服するかは課題だと思います。
また、がん細胞を攻撃する兵隊役であるNK(natural killer)細胞についても研究対象にしています。NK細胞の強さはNK活性と呼ばれ、免疫力の指標のひとつとされています。このNK活性はさまざまな要因によって大きく影響を受けることが知られています。そのひとつが、「加齢」です。35才以下および60才以上の人のNK活性を調べ、比較したところ、60才以上の人たちは、35才以下の人たちに比べ、NK活性が低いとの報告があります。NK活性を高めるにはどうすればよいのか、研究テーマではあると思います。
★ 講演の案内
2022年11月29日〜12月1日に、米国ボストンで「第3回CRISPR 2.0サミット」が開催されます。そのサミットにエメンド社からラフィ・エマニュエル上級副社長が出席し、「CRISPRベースの治療のための新規ヌクレアーゼの特定と最適化」という演題で講演します。その中で、エメンド社のパイプラインにある「重度の先天性好中球減少症」についての研究報告が行われると思います。
また、エメンド社のニューヨーク本社勤務に当たっているアイラ・ゴトリフ副社長は「家族性高コレステロール血症の次世代治療法」という演題で講演することになっています。