●アンジェス(株):2022/09/27 08:51
アンジェスは昨日の9月26日に開催した取締役会において、行使価額修正条項付きの第三者割当による第42回新株予約権の発行を決議したことをIRで発表しています。
新株予約権の割当予定先は前回と同じCantor Fitzgerald & Co.に対する第三者割当方式となっており、割当日は2022年10月12日となっています。新株予約権の総数は380,000個(1個につき100株)で、発行価格は1個につき134円なので総額5092万円となります。なお、資金調達の額は差引手取概算額で85億992万円となっています。
この第三者割当による第42回新株予約権の発行は、9月7日の新型コロナDNAワクチン(武漢型)の開発中止、及びHGF遺伝子治療用製品コラテジェンの慢性動脈閉塞症における安静時疼痛の適応追加に向けた国内開発の中止を決定した時期と重なることもあり、株価にはマイナスに作用することは避けられないと思います。
なぜ、このように悪条件が重なる時期に新株の発行による資金調達を実施するのかについては明確にはわかりませんが、しかし資金繰りに困り、追い込まれた形での資金調達なのかと言えば必ずしもそうであるとは言えないと思います。
確かに、前回の増資によりエメンド社の運営に、一定の予算計上はなされておりますが、当時より研究陣も拡充され、米国の本社機能も人員を含めて強化されているし、また好中球減少症の臨床試験入りについてFDAから承認が下りた場合の治験費用などは補充の必要があることは事実です。しかし、それらの対応は現予算の範囲内で対応できることも事実です。
しかし、株価への悪影響が重なったとしても、第42回新株予約権の行使については、予想以上の株価の下落から行使そのものがストップし、結果的に資金調達に失敗することはないとの判断が会社側にあり、小手先で実施時期を年明けぐらいまで伸ばすことをせず、10月12日の割当とする判断をしたのだと思います。