●アンジェス(株):2022/08/09 08:17
アンジェスは2021年4月に、慢性椎間板性腰痛症の治療用の核酸医薬品である NF-kBデコイオリゴDNA(AMG0103)の後期第1相臨床試験について、6ヵ月経過観察結果に続き、この期間を含む12ヵ月の経過観察結果についてトップラインデータを発表しています。対象患者は、32~70 歳(平均年齢:53.5 歳)の慢性椎間板性腰痛症患者の男女25症例です。
AMG0103 は12ヵ月間の観察期間を通して重篤な有害事象は認められず、高い安全性を示しました。有効性についても探索的にデータを評価したところ、投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続し、患者自身からも高い満足度が得られています。
この試験の治験責任医師である、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部長で整形外科教授の Steven Garfin先生は次のように述べています。「AMG0103 は、素晴らしい安全性プロファイルを有し、12ヵ月にわたり腰痛を有意に軽減しており、慢性椎間板性腰痛症に苦しむ患者に対して画期的治療薬となる将来性があると考えています。さらに、腰の軽減に加えて、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは注目に値します」と。
現在、アメリカ食品医薬品局(FDA)が慢性椎間板性腰痛症に対する薬物療法として承認しているのは、消炎鎮痛剤による対症療法のみです。AMG0103は、推定される原因物質を阻害することで効果を発揮する点で、既存の鎮痛剤とは異なります。椎間板変性に対する進行抑制効果や修復促進効果などが今後の臨床試験で確認できれば開発成功に向けて大きく前進すると思います。
現在、FDAと第2相臨床試験のプロトコルについて協議を進めている状況にありますが、トップラインデータの発表を受けて国内外の製薬企業からの注目度も高まっており、ライセンス契約等の交渉も同時並行で進めていると思います。
アンジェスの山田社長も「我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、FDA(アメリカ食品医薬品局)および世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定です。」と述べていますが、トップラインデータの発表から、1年4ヶ月ほどが経過しているので、次のスッテップに進む取り組みの開始を期待したいと思います。
◆今日は後場終了後に、2022年第2四半期決算報告があります。