●アンジェス(株):2023/09/25 08:54
米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験は2018年2月より開始され、2021年4月にトップラインデータが発表されています。
治験結果については、中間報告された6ヵ月間の結果に続き、この期間を含む12ヵ月の経過観察結果が報告されたものですが、重篤な有害事象は認められず、高い安全性が確認されたことが報告されています。有効性についても投与早期より腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与12ヵ月後まで継続したことが確認されています。
治験結果については、米国での治験責任医師である、カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部長のスティーブン・ガーフィン教授は「椎間板起因の腰痛に苦しむ患者さんに対して、画期的な治療を提供する可能性を秘めていると考えます。大幅な痛みの軽減効果とその持続期間を素晴らしい結果と受け止めており、その後の試験でのさらなる評価を期待しています」と述べています。
国内第2相臨床試験の取り組みについては、今年の1月に発表されていますが、臨床研究等の公開システム「jRCT」には、研究名称が「慢性の椎間板性腰痛に対するAMG0103治験」となっている慢性椎間板性腰痛症の患者募集が行われています。また治験の研究責任者は東海大学医学部付属病院の酒井大輔氏となっていることが、今年6月に公表されています。
治験の研究責任者である酒井氏の専門は脊椎脊髄病学ですが、2013年4月から1年間、カリフォルニア大学サンディエゴ校へ留学されているので、米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬NF-κBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験の治験責任医師がカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部長のスティーブン・ガーフィン教授であったので、不思議な縁を感じます。
NF-κB デコイオリゴDNAの国内第2相試験の開始にあたっての1月のIRでは「日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、製品化した場合に事業性を見込めると判断し、日本国内において第2相臨床試験を行うことを決定しました」と発表されていますが、治療を待ち望む患者さんのためにも第2相臨床試験に着手し、良い治験結果が得られることを望んでいます。