●アンジェス(株):2022/06/08 10:05
アンジェスが、究極の遺伝子治療法といわれるゲノム編集技術を用いた遺伝子疾患治療に挑むため、2020年12月にゲノム編集における先進技術及びそれを活用した開発パイプラインを持つエメンド社を完全子会社化してから、早くも1年半を迎えようとしています。
エメンド社のゲノム編集技術は、高い効率と精度を両立したゲノム編集を可能にする画期的かつ実用的な独自技術です。現在、アンジェスは患者の治療にあたって、安全に使うことのできるエメンド社の新たなゲノム編集技術(OMNIPlatform)を活用し、ELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)関連重症先天性好中球減少症を対象疾患とした開発品のプロジェクト化を進めています。
取り組みの進捗状況については、5月16日~19日にワシントンD.Cで開催された第25回米国遺伝子細胞治療学会の年次総会で、エメンド社の研究開発担当責任者であるラフィ・エマニュエル博士が「ELANE関連重症先天性好中球減少症の治療に関する前臨床データ」を口頭報告しています。この報告で、ELANE関連重症先天性好中球減少症の治療に関する前臨床データでは、オフターゲットなしの完全なアレル特異性を示す高度に特異的な編集組成の開発を実現するエメンドの二元的技術プラットフォームの威力を示し、注目度が高まっています。
今後、アンジェスはELANE関連重症先天性好中球減少症の治療に関する前臨床データの分析の上に、アメリカ食品医薬品局(FDA)と臨床試験入りについて協議を進めて行くとしています。そして、山田社長は2月に開催した機関投資家・アナリストを対象とした決算説明会で「2030年までの間に数個のパイプラインを作ることを目標に、希少疾患を対象とした開発を迅速に進めて、上市を目指したい」と答えています。
エメンド社は、アンジェスの子会社化になる以前から、重症先天性好中球減少症以外にも、血液疾患、癌そして肉腫などのオンコロジー分野、眼科、その他、非公開になっていますが肝臓疾患領域の適応症に対処する治療法の確立や創薬に向けた研究を積み重ねているので、やがて花が開き、実を結ぶのではないかと思います。