●アンジェス(株):2022/04/18 08:29
椎間板は椎体と椎体の間に存在し、脊柱に可動性を持たせながらクッションとして衝撃吸収の役割を果たしています。椎間板は常に力学的負荷を受けており、加齢やストレスなどで椎間板の中央に存在する髄核の水分が減少し、弾力性が低下していきます。腹筋や背筋などの体幹筋は椎間板に加わるストレスを分散させますが、筋力が不十分であったり、バランスが崩れているとうまく分散されず、椎間板にかかるストレスの増大で椎間板性腰痛症が発症します。そして、腰の痛みが長く続く慢性椎間板性腰痛症になると、患者の日常生活に大きな支障を来たし、仕事の継続も困難になる事態が生じます。
アンジェスは昨年4月、慢性椎間板性腰痛症の治療薬であるNF-kB デコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験について、6ヵ月経過観察結果に続き、この期間を含む12ヵ月の経過観察結果についてのトップラインデータを発表しています。
治験結果については、12ヵ月間の観察期間を通して重篤な有害事象は認められず高い安全性を示し、有効性についても投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制が投与12ヵ月後まで継続し、患者自身からも高い満足度が得られたと報告されています。
ところで、慢性椎間板性腰痛症の治療薬であるNF-kBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験の投与完了が2020年2月で、治験結果の発表が2021年4月に行われているので、次の第2相臨床試験の実施時期はいつになるのかについて、今年2月に開催された機関投資家・アナリストを対象にしたオンライン決算説明会で
【質問】NF-kBデコイオリゴDNAに関しては、決算短信には早期導出を計画と記載されていますが、導出契約締結後に第II相臨床試験を開始するのでしょうか?
【山田】ご指摘の通り、決算短信に早期導出を計画、と書いておりますが、相手があり交渉事でございますので、基本的には並行して第II相臨床試験を進めることを前提に計画しております。その結果、ご指摘の様に前後する可能性もございます。
と、山田社長が答えています。このことから、NF-kBデコイオリゴDNAについての第II相臨床試験前に導出に関する協議が行われていることが伺えますが、これまでの研究開発をしっかり評価をしていただける導出が製薬会社との間で成立出来ることを望みたいと思います。