●アンジェス(株):2023/06/20 08:55
アンジェスが、米国で実施してきた慢性椎間板性腰痛症の治療用NF-kBデコイオリゴ DNAの後期第1相臨床試験について、6ヵ月の経過観察結果に続き、この期間を含む 12ヵ月の経過観察結果についてトップラインデータを発表したのが2021年4月です。治験結果については「12ヵ月間の観察期間を通して重篤な有害事象は認められず、高い安全性を示した。有効性についても探索的にデータを評価したところ、投与早期に腰痛は大幅に軽減し、腰痛の抑制は投与 12ヵ月後まで継続した。また、患者自身からも高い満足度が得られた。」と報告されています。
この結果を受けて山田社長は、今後の取り組みについて次のように語っています。「米国での後期第1相臨床試験では、安全で腰痛の改善、患者の高い満足度が得られ、その効果は長期に持続することが確認された。さらに、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは、椎間板の変性を抑制する可能性を秘めている。我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、FDAおよび世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定である」と。
その後アンジェスは、今後の開発戦略を検討してきましたが、2023年1月のIRで、「今後は日本国内における慢性椎間板性腰痛症を対象とした開発の開始を取締役会で決議した」と報告してます。
そして3月20日のアンジェスのIRで、「NF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験への協力に関する契約締結を塩野義製薬との間で結ぶことを取締役会で決議した」と報告しています。また5月10日に発表された2023年12月期第1四半期決算短信でも「現在、日本国内における第Ⅱ相臨床試験の準備を進めており、当該試験に関して塩野義製薬株式会社と契約を締結し、費用の一部を負担いただくとともに、試験結果に基づき第Ⅲ相臨床試験の実施について協議する予定です」と、3月のIRより一歩前に踏み込んだ報告がされています。
慢性椎間板性腰痛症の治療用NF-kBデコイオリゴDNAの国内における第Ⅱ相臨床試験の取り組みの発表から5ヶ月が経過しているので、医薬品医療機器総合機構(PMDA)とは事前の打ち合わせも開始されていると思いますが、塩野義製薬としては、臨床試験入りが確定した段階で発表を行うものと思います。