●アンジェス(株):2022/03/07 20:33
HGF遺伝子治療用製品コラテジェンは、アンジェス設立以来に主力プロジェクトで、2019年3月に慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善を効能として、条件及び期限付承認を取得し、同年9月に薬価収載を経て販売されたものです。
条件及び期限付承認について改めて説明すると、2024年までの5年間の期限内にコラテジェンを投与した患者120人、投与しなかった患者80人のデータを集め、有効性や安全性ついての承認条件評価を実施する必要があります。
3月2日に発表されたアンジェスの「事業計画及び成長可能性に関する事項の開示」によると本承認に向けた、市販後調査実施については昨年の12月期に目標としていた120症例の投与は完了は完了したとのことです。
110症例については昨年秋に、治療効果の分析も進んでいるので、昨年末に投与が終了した患者さんの治療効果の分析が完了し、プラセボの80症例との効用・効果が比較分析されれば、本承認の申請が可能となります。
振り返ってみると、コラテジェンが条件及び期限付承認を受けたとき、山田社長は「まずは本承認を取得するのが最も大事な仕事」と語っていたし、販売を担う田辺三菱製薬の三津家正之社長も「3年ほどで慢性動脈閉塞症の潰瘍の患者を集め、データをしっかり組み上げていきたい」と意気込みを語っていましたが、両社長の決意表明通りの取り組みになっていると思います。
なお、2019年9月の薬価収載については1バイアル60万360円となり、株式市場では「薬価が安すぎる」と受け止められ、薬価が事前に報じられた同27日から29日にかけて、アンジェスの株価は4割も下落したことは掲示板に参加している皆さんの記憶に新しいと思います。確かに、3349万円の薬価がついたCAR-T細胞療法「キムリア」などと比べると、その安さは際立っていると思います。
アンジェスの山田社長は記者会見で、「薬価は国が決めることなのでコメントは差し控えたい」とする一方、「本承認になれば加算の可能性もあるので、期待を込めて努力していきたい」と、当時語っていました。
コラテジェンの薬価収載時の価格は、原価計算方式で算定されたましたが、本承認の申請には国の示した120症例の承認条件評価を実施したものであり、画期性加算や有用性加算が加味される可能性があるので、薬価の再検討が行われるのではないかと期待しています。