●アンジェス(株):2023/08/03 08:55
コラテジェンは2019年3月に条件及び期限付き承認されたものですが、同年9月に薬価収載を経て国内で、田辺三菱製薬より製造販売後承認条件評価を行うための発売が行われて来ました。使用成績比較調査のための目標症例数120例と比較対照80例の患者登録については2021年12月に完了しています。
その後1年間の経過観察期間を経て、販売条件で定められているコラテジェンを使用する症例全例を対象とした製造販売後承認条件評価を行ってきました。その使用成績比較調査での集計結果が、従前申請の治験結果の再現性が確認できたと判断し、アンジェスは創業以来手がけてきたHGF遺伝子治療用製品コラテジェンの条件解除に向けた本承認の申請を5月31日に厚生労働省に行っています。
一方米国で、2020年2月より開始された後期第2相臨床試験は、閉塞性動脈硬化症のうち、包括的高度慢性下肢虚血についてのグローバル治療指針を踏まえて、下肢切断リスクの低いステージ1~2を対象としたものです。被験者登録については2022年12月に目標症例60例の投与を完了し、さらに脱落例を考慮して数例を追加し2023年3月に登録を完了し投与も終えていまが、現在は経過観察を行っています。臨床試験の結果は2024年前半にも判明する見通しと言われています。
なお、昨年10月に東洋経済の大西記者から山田社長がインタビューを受けていますが、記者から「2002年の上場以来、株式市場から大量の資金調達をしつつも一度も黒字化できていません。将来の展望を示す必要があるのではないですか?」と問われたことに、山田社長は次のように答えています。
「その通りだ。そういう時期にきている。だが、日本で2019年に条件付き承認を取得した遺伝子治療薬の「コラテジェン」では、本承認が取れても、今の赤字を埋める収益を上げるのは難しい。当社の調査では、アメリカでこの疾患・適応で承認されている薬はなく、この薬の適応対象になる患者数は10万~20万人と見ている。なので、アンジェスの生命線はアメリカのコラテジェンだ。アメリカで承認を取れば大型の医薬品になる可能性は十分ある。アンジェスとしてはここに、これから注力をしていく。ここがこれからの勝負になる」と。
◆そのためには、国内で本承認を得ることが非常に重要となります。