●アンジェス(株):2022/02/12 15:25
アンジェスは、自らのホームページで「遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指して」という表題を掲げています。では、そもそも遺伝子医薬関連の市場規模とはどのようなものなのか。このテーマの即した市場規模予測を実施した調査会社が日本の市場調査会社であるシード・プランニング(本社:東京都文京区)です。
調査対象地区は日本・米国・欧州の3地域を対象に実施され、2017年3月に調査結果が発表されています。調査結果の詳細は、市場調査レポート「2017年版 遺伝子治療薬の将来展望」に掲載されています。
調査結果のポイントとして報告されている内容としては、日本と米国、欧州の3地域における遺伝子治療薬の市場規模は2020年に738 億円、2025年に1兆455億円、2030年に5.6 兆円に達すると予測されています。
しかし、このシード・プランニングによる遺伝子医薬関連の市場規模は、2017年3月に市場予測調査であり、ファイザー社やモデルナ社などの先行ワクチンの開発は調査当時としては想定されていないため、実際は「遺伝子治療薬の将来展望」に掲載されている規模を大きく上回る動きとなることは確実です。
米ファイザーは新型コロナウイルスワクチンの2021年12月期通期の売上高が、360億ドル(約4兆1千億円)になるとの見通しを発表しています。
ファイザー製ワクチンは、米食品医薬品局(FDA)などが緊急使用を承認してから、2021年10月末までに152カ国・地域に20億回分が供給されています。
そして21年末までの供給見通しが引き上げられ、21年に30億回分、22年に40億回分を見込むとされているので、売上高も1社で、シード・プランニングの2025年予測である日・米・欧での市場予測5.6兆円になろうとしているのです。
なお、遺伝子医薬の分野は、コロナワクチンだけではなく今後、癌や単一遺伝子疾患、眼疾患、神経疾患、虚血肢およびうっ血性心不全等の慢性疾患、HIV感染症に対する遺伝子治療薬が普及して、市場規模も今後大きく拡大する見通しなのです。さらに、ゲノム編集を基本コンセプトとした遺伝子治療薬の臨床試験が始まるなど、研究開発は活況を呈すると予測しています。
その意味で2020年は遺伝子医薬の幕開けの時代と言えるのです。