●アンジェス(株):2021/12/20 18:49
高用量製剤での接種量を増やした第1/2相臨床試験の接種が開始されたのは
2021年8月17日です。この治験が開始された理由については10月に行われた
株主向けオンライン会社説明会で、「 他社より先行してコロナワクチンの開発に
入ったのに、開発スケジュールが第2/3相から第1/2相に変更になったのは
何故ですか?」という質問に山田社長は
「ファイザー社やモデルナ社のワクチンは想定以上の効果があり、それを受けて
当社のDNAワクチンの効能を上げるべく実施するものです。
開発スケジュールが第2/3相から第1/2相に変更になったのは、投与量を
上げる場合には、安全性を確認するために第1/2相の臨床試験が必要なため
現在その試験を進めているところでございます。」と答えています。
つまり、投与量を増やしての高用量製剤の第1/2相臨床試験は、これまで実施
してきた第1/2相臨床試験、及び第2/3相臨床試験では安全性は確認できるが
抗体陽転率や有効性がファイザーやモデルナに及ばないために、投与量を
増やした治験を開始したとするものです。しかし、高用量による治験は
これまでのDNAワクチンではだめなので、新たにゼロからやり直したワクチンではなく、これまでのDNAワクチンの投与量を増やした筋肉接種の治験と、
大阪大学で行なっていた医師主導の皮内接種の治験を引き継いで企業治験として
取り組んだものです。
高用量による第1/2相臨床試験以降の取り組みの展開はどうなるのか。
まず、高用量の第1/2相臨床試験の目的は、安全性及び免疫原性の評価を得る
ための治験ですが、一義的には高用量製剤を使用した場合の安全性を確認する
ことが大きな目的です。その上で筋肉接種の三つの治験パターンの中で有効性が
得られる適量はどのケース化を確定するのです。皮内投与の二つのパターン
からも、有効性が得られる投与量はどちらかを確定するのです。
このように高用量製剤の筋肉接種と皮内接種から安全で有効性のあるものが
選定されものを持って、有効性を更に確かなものとして確認するための
高用量としての第2/3相試験が実施されると思います。
その上で国が定める最終的な第3相にアプローチするものと思います。