●アンジェス(株):2022/03/21 16:22
昨年7月の広報ブログで、株主や報道関係の方々からの問い合に答えるということで進捗状況のインタビュー報告がありました。
その中で、「第1/2相試験や第2/3相臨床試験は、高投与量ではなかったから、失敗だったのでしょうか?」との問いに山田社長は「失敗ではありません」と答えています。
また、「今まだ分析結果が出ていない状況で、高投与量のワクチンを進めたい理由はなんですか?」との問いに対して、山田社長は「順序立てて進めることが王道とは思いますが、世界のウイルス感染の状況は目まぐるしく変化しており、全ての解析が終わり、その結果が出てからの次段階へのスタートでは、日々の変化に遅れをとってしまいます」と答えています。
そこで、高用量製剤での取り組みについて経過を振り返ってみますが、500名規模の第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験の接種が完了したのが2021年3月です。それから4ヶ月後には、海外に依頼している分析機関からの正式報告がない中で、2021年7月には接種量を増やした高用量製剤での臨床試験の取り組みについて予告をし、翌月の8月に接種開始が行われているのです。
では、まだ分析結果が出ていない状況で高用量製剤による治験を開始した根拠は何かと言えば、500名規模の第2/3相臨床試験も基本的には低用量での治験として開始された大阪市立大学医学部附属病院で実施された第1/2相試験の内容を踏襲したものであり、国内での分析結果で予測が可能だったことか、あるいはWHOが指定する海外の分析機関による中間報告があったことによる判断と思われます。
そこで、高用量製剤による第1/2相臨床試験の治験結果がどの様な結果となるのかについて予測してみますが、海外の分析機関による第1/2相臨床試験の治験結果については「夏ごろまでに報告が可能となるのでは」と言われて入りますが、その前にアンジェスとしては中間報告を行う意向を明らかにしています。
したがって、高用量製剤による治験結果の中間報告で安全性はもとより、有効性についても期待できる一定の基準を満たし、そのまま正式な治験結果を待つということであれば、治験は事実上の成功を意味するし、再度、高用量製剤の量を変えた取り組みか、アジュバンドの変更などが求められる場合は、事実上のやり直しとなるのではないかと思います。前者の中間報告となることを望みます。