●アンジェス(株):2021/06/18 09:19
アンジェスの新型コロナDNAワクチンに関わる臨床試験の結果発表が初夏に発表予定としてきたものが、「WHOが推奨する国際基準に沿って分析を行っている最中であり、その分析に想定より時間を要している」として、現段階では、アンジェスが実施してきた第1/2相臨床試験、及び第2/3相臨床試験の結果発表が先延ばしとなりました。
広報ブログで報告している「WHOが推奨する国際基準に沿っての分析」とは、森下先生が6月3~4日に開催された日本医療研究開発機構(AMED)の報告会の中で、「今後は、WHOやICMCRの議論をもとに、厚労省が改めて承認要件を示す」動きとなるので、これまで行ってきた臨床試験のデータ解析について、「WHO推奨の国際標準品を用いて測定しているNexelis社での測定も行う予定である」と話していたことと符合します。しかし、理由はともあれ、これまでの治験結果のデータと解析結果によって、安全性及び有効性が明らかになることが、次のステップに進む必要条件となるので、国産ワクチン開発を迅速に進めるために、極力早く治験結果を発表してほしいと思います。
現状では、条件付き早期承認になるのか、WHOが承認している海外ワクチンとの有効性の比較、つまり、抗体産生価や有効な中和活性、そして細胞性免疫などの有効性の比較による承認となるか、あるいはプラセボの実施は別にしても、アジア諸国を対象にした規模を縮小しての治験の実施となるのか断定は出来ませんが、いずれにせよ、一定の取り組みの後は、国際承認基準に合致するものとして承認されることなるのです。
そうすれば、6月2日開催の「COVAXワクチン・サミット」で、菅総理がメッセージを発表した国際公約、つまり「変異株の拡大やワクチン供給の遅れといった厳しい現状を踏まえ、我が国で製造するワクチンを3000万回分を目途として、COVAXなどを通じ、各国・地域に対して供給を行っていく考えです。」との取り組みが、現状では我が国が輸入によって確保したアストラゼネカワクチンを台湾やベトナムに供与していますが、いずれは国産ワクチンの供与となることが本来的な国際貢献と言いえると思います。