●アンジェス(株):2021/12/06 07:01
投与量を増やした高用量製剤の第1/2相臨床試験の接種が完了したのが
11月10日。アンジェスのワクチン開発に注目をしている人であれば
その治験結果を一日も早く知りたい思いは、皆さんが同じだと思います。
ただ、接種が完了して1カ月足らずでは結果の分析が完了していないのではと
思います。また今回も確かな分析結果を出すために、WHO推奨の国際標準品を
用いて測定しているNexelis社に治験結果の分析を依頼しているとすれば
もう少し、発表に時間を要するのでは思います。
ただ、高用量治験の結果を、ある程度、予測することは可能です。
まず、会社説明会では「投与量を増やしたワクチンを開発する理由は
何ですか?」との質問に山田社長は次のように答えています。
「現在臨床試験を行っているワクチンよりもさらに免疫応答を上げ
予防効果を上げるためです。我々が第2/3相臨床試験を行っている間に
ファイザー社、モデルナ社のワクチンが承認されました。
これらのワクチンの予防効果は、これまでの前例にない大変高い予防効果の
数値を出しており、これにできるだけ照準を合わせた予防効果が高い
ワクチンを開発する必要があり、高投与量でさらに臨床試験を進めるという
ことになります。」と。
では、投与量を増やしての高用量製剤でのワクチン接種では、さらに免疫応答を
上げ予防効果を上げことが可能なのかと言うことがあります。
これについては、森下先生が今年の6月に開催された
日本医療研究開発機構(AMED)が主催するシンポジウムで、
大阪大学医学部附属病院で実施した第1/2相臨床試験の一部のデータを
公表しています。それによると
アンジェスのコロナワクチンAG0302の中和抗体陽転率は、
2mg・4週間隔・2回投与が60%で、2mg・2週間隔・3回投与で70%で
あり、国産ワクチンで初の免疫原性が確認されています。
この事例でも分かるように、ワクチンの投与量を増やせば、免疫応答を上げ
予防効果を上げことが可能なのです。今回の投与量を増やす高用量製剤による
臨床試験は筋肉内接種の場合でも、皮内接種の場合でも、安全性については
大丈夫だと言われているので、あとは有効性が高まる治験結果が
出ることを期待したいと思います。年内中にでも高用量治験の結果を発表し
次のステップに進んでもらいたいと思います。