●アンジェス(株):2021/06/11 04:02
【医薬通信社】
新型コロナワクチンP1/2試験で国産初の免疫原性確認!!
森下竜一氏 (大阪大学大学院教授)に聞く(その2)
<WHOが挙げるDNAワクチンの有用性を確認>
WHOのワクチンガイドラインには、DNAワクチンの特徴として、「抗原特異的なB細胞刺激による中和抗体産生と、ウイルスが増殖している細胞を殺す細胞性免疫も惹起する理想的なメカニズムを有する」、「様々な抗原に対し、容易に対応できる」、「良好な安全性が確認されていて、ヒトの遺伝子への挿入はない」、「ベクターに対する抗体産生がなく、繰り返し投与が可能(アデノウイルスベクターに対する優位性)」などが明記されている。森下氏は、「大阪大学のP1/2試験で、その通りのDNAワクチンの有用性が確認できた」と胸を張る。
<年内にも承認に向けた大規模試験実施へ>
大阪大学のP1/2試験結果では、2mg・4週間隔・2回投与では、液性免疫反応は70%、細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応 (液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は90%であった。
2mg・2週間隔・3回投与では、液性免疫反応は100%全例で確認された。細胞性免疫反応は90%、総合免疫反応(液性と細胞性の両方またはいずれか一方)は100%であった。
「症例数のトータルでは、液性免疫反応は73%であったが、かなり多くの人で反応が見られたので、非常に手ごたえのある結果を得たと思っている」と強調する森下氏。さらに、「今後、500例規模のP2/3試験でもこの結果を確認し、年内にも承認に向けた次の大規模試験に進みたい」と意気込む。
大規模試験のサイズは、先日政府が発表したワクチン戦略において、「WHOやICMCRの議論をもとに、厚労省が改めて承認要件を示す」とされている。「その内容を見て、試験のサイズ、試験を行う国などを早急に決定する。加えて、今後、WHO推奨の国際標準品を用いて測定しているNexelis社での測定も行う予定である」
(森下氏)