●アンジェス(株):2021/03/21 04:11
大阪大学大学院:臨床遺伝子治療学の
中神啓徳先生がDNAワクチンについて語る(3)
ーーー新しいデバイスを活用したDNAワクチンの開発は
どの段階まで進んでいるのでしょうか。
【中神】動物での非臨床試験が終わり、2020年11月から人での第1相、第2相の臨床試験が始まっています。人での治験データはこれから解析となりますが、マウスでの治験では結果が出ています。
このデバイスでワクチンを接種したマウスと接種しないマウスの鼻にコロナウイルスを投与すると、ワクチン接種のマウスではウイルスが増えず、接種しないマウスの肺ではウイルスが増えたというデータが得られています。人でも臨床試験を行い、安全性、有効性を確認していきます。
ーーー今後、第3相試験を経て、承認申請と言うことですね。デバイスを使ったワクチンの登場は楽しみですね。ところで、このDNAワクチンは、流通、供給させる時の温度管理などはどうなりそうでしょうか。
ファイザー社はマイナス70℃、モデルナ社はマイナス20℃といわれています。
【中神】ファイザー社、モデルナ社のmRNAワクチンは、DNAワクチンと比べるともともと不安定なので、マイナス70℃、マイナス20℃といった温度管理が必要になるのですが、DNAワクチンは安定性がいいので、mRNAワクチンに比べると温度管理が簡便になる可能性があります。
デバイスに関しても大量生産にも対応できるようにしておりますので、実用化に対しても問題ないと考えています。
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◆宝島社出版の「新型コロナウイルス:ワクチンのすべてがわかる本」から抜粋させていただきました。なお、この本はアメリカ国立研究機関:博士研究員でウイルス免疫学者の峰 宗太郎氏が監修したものです。