●アンジェス(株):2020/12/02 14:35
アンジェスがカナダのバイオ医薬品企業であるバソミューン社と共同開発を進めている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「AV-001」について、臨床試験を実施をしています。今回の治験は、中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者の治療を目的とした臨床開発で、FDAにIND(新薬臨床試験開始申請)を行い、臨床試験開始許可を得たものです。
治療薬AV-001は、新型コロナウイルス感染症および急性呼吸窮迫症候群(ARDS)患者、特に高血圧、糖尿病および肥満などの血管合併症を既往している患者の病態において、血管機能障害が認められる。AV-001単剤療法では、未治療の対照群と比較して生存期間と肺機能が有意に改善されるが、抗ウイルス療法との併用により有効性はさらに増強されるという利点が示された。
バソミューン社社長兼CEOのダグラス・ハミルトン氏は、「我々は、重症化したSARS-CoV-2 感染患者でみられる過剰な血管透過性亢進の治療を目的とした新規治験薬を開発してきたが、その開発ステージを臨床ステージへと移行させる」と報告。その上で、「このファースト・イン・クラスの治療法が、COVID-19 患者に大きな恩恵をもたらすと期待している」とコメントしている。
一方、アンジェスの山田英社長は、「中等度から重度のCOVID-19肺炎で酸素吸入が行われている入院患者に対する治療法開発は緊急の課題である。前臨床試験成績からみて、本品はその有効な治療法となる可能性がある」と大きな期待を寄せる。