●アンジェス(株):2020/06/13
世界の(COVID-19)予防ワクチンについて(その2)
<アデノウィルスワクチンについて>
アデノウイルスという風邪のウイルスを弱毒化して使用するアデノウイルスワクチンは、遺伝子の発現量がDNAワクチンやRNAワクチンよりも多いことが知られており、抗体を作るという点では優れています。しかし、アデノウイルスでは以前に遺伝子治療で死亡例も出ており、毒性もかなり高いという問題点があります。また、新型コロナウイルスに対する抗体だけではなく、投与されたアデノウイルスに対する抗体も出来ることが知られており、2回や3回という複数投与した場合効果が出ない事がわかってきています。したがって、ワクチンの抗体が長続きしないと、2回目以降は使えないということになると言われています。
<DNAワクチンについて>
1.米イノビオ(P1試験を米国で実施中)
2.アンジェス/大阪大学
世界におけるワクチン開発のトップを走っているのは米モルデナとすればDNAワクチンを開発しているイノビオやアンジェスは第2走者の位置にいると思います。しかし、開発しているワクチンの特質から見れば、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを収束させる最適のワクチンはDNAワクチンであると言えます。
その理由としては、DNAワクチンはウイルスの遺伝子情報があれば、ウイルス自体を全く使用することなく製造出来るので安全であること。次にDNAワクチンは大量生産が可能で、かつ常温保存が可能であることから輸送・保管にも経費が少なく済みます。そしてmRNAワクチンと比較してワクチンの価格がが10分の1以下という安価で製造が可能であること。
こうした特質から言ってもDNAワクチンは今後、再び第二波、第三波の新型コロナウイルス感染症のパンデミックが予測される中で、アンジェス:大阪大学連合のDNAワクチンは、世界市場の中でイノビオとの住み分けを含めて、今後ますます注目と期待が寄せられると思います。