●アンジェス(株):2020/07/26 06:23
【藤和彦/経済産業研究所上席研究員】
大阪大チーム、コロナの
画期的“DNAワクチン”開発に邁進!!(その2)
もう1社、米イノビオ社が採用しているのはDNAワクチンであるが、森下氏のチームのほうが長年の経験があり、一日の長がありそうだ。しかし量産化という面では米国企業のほうが有利である。 森下氏によれば、米軍がバイオテロ対策のためにウイルスに関する研究開発予算を大量にベンチャー企業に提供しており、モデルナやイノビオも手厚い支援を受けている。
遺伝子ワクチンとともに、現在開発が進められている方式にアデノウイルスという風邪のウイルスを弱毒化して使用するアデノウイルスワクチンがある。これは抗体をつくる点では優れているが、アデノウイルスによる毒性がかなり高いという問題点がある。副作用として挙げられるのは発熱、倦怠感、肝機能障害などである。
さらに問題なのは、体内でアデノウイルスに対する抗体もできてしまうことから、複数回投与した場合、効果が出なくなってしまうことがわかっている。これに対しDNAワクチンは複数回の投与が可能である。
アデノウイルスワクチンを開発しているのは、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、英オックスフォード大学、北京生物製品研究所などである。