●アンジェス(株):2020/03/13 06:04
<日経新聞電子版>
(話題の株)アンジェス、逆行高!!「パンデミック」で思惑
12日の東京株式市場で、創薬ベンチャーのアンジェス株が逆行高となった。一時前日比12%(60円)高の562円まで買われた。同社は新型コロナウイルスに対応するワクチンの開発に取り組む。11日に世界保健機関(WHO)が新型コロナについて「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明したことで改めて注目が集まり、個人投資家の買い注文が入った。
取引終了にかけて利益確定売りも出て、終値は3%(16円)高の518円だった。売買代金は61億円と東証マザーズ上場銘柄で2番目の多さだった。
アンジェスは5日、大阪大学やタカラバイオと共同で新型コロナウイルスのワクチンを開発すると発表。ワクチンへの関心からアンジェス株は5日、6日と制限値幅の上限(ストップ高水準)まで上昇したが、その後は相場全体の下落に合わせて利益確定売りが膨らんでいた。
11日にWHOがパンデミックを表明したことで再び個人の注目が集まった。短期的な値幅取りを狙う売買もあったようだ。「(売買当日に持ち高を解消する)日計り商いが中心」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)とみられる。
12日は日経平均株価が2年11カ月ぶり、東証マザーズ指数が約7年ぶりの安値を付けた。個人投資家の懐具合は悪化している。アンジェスについても、ワクチンをいつ、どの程度提供できるかはまだ不明だ。
当面は「6日に付けた600円近辺まで上昇すると売りが出やすくなる。500~600円近辺でもみ合う展開になりそうだ」(窪田氏)との見方があった。