●アンジェス(株):2020/02/14 06:19
アンジェスは大阪大学医学部の森下竜一教授が創業したバイオベンチャーです。
設立は1999年12月で東証マザーズへの上場は2002年9月です。
森下先生は1991年に大阪大学医学部大学院を卒業後、その年の8月に米国スタンフォード大学循環器科研究員を勤め、1994年にはスタンフォード大学循環器科講師として教鞭をとっています。
その後1998年に大阪大学の助教授として赴任し、2003年には同大学の教授として大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学の総括責任者となっています。
この経過から判るようにアンジェスをバイオベンチャーとして設立したのは森下先生が大阪大学の助教授の頃です。そして2002年、東証マザーズにアンジェスを上場した翌年、これまでの大学院医学系研究科遺伝子治療学から、より医療現場にとって役立つ内容に充実した臨床遺伝子治療学として衣替えを図り、教授として総括責任者となったのです。
その位置づけを森下先生は次のように述べています。
遺伝子治療は、治療という言葉が最後にある以上、常に臨床を意識して基礎研究を行う学問であると考えています。また、多くの患者さんに恩恵をもたらすため、医薬品化を含めて産業への橋渡しも重要な役割を担う学問であるとも思います。
他方、アンジェスの社長を務めている山田英社長の略歴にも触れておきます。
山田社長は1982年に三菱化成、現在の三菱化学株式会社に入社し、後にそうせい
及び現在のタカラバイオの勤務経験があります。タカラバイオでは取締役の任にあり、アンジェスには2001年に事業開発本部長として入社し、同年取締役そして翌年の2002年にはアンジェスの代表取締役社長に就任しています。
山田社長の経歴を見ると、アンジェスが東証マザーズに上場する過程で創業者の森下教授が上場手続きの段取りを含めてその後の企業運営の任に当たる人をコラテジェンの特許を持つ田辺三菱から譲り受けた事を縁に三菱側に人選をお願いしたことから、山田氏に白羽の矢があたったのではと推測できます。
創業者の森下先生と山田社長の二人三脚の連携が今あるアンジェスを存続させてきたし、この絆は役職に関わらず今後も継続すると思います。
エメンド社への54億円の投資・提携についても取締役会の議を得る前に、山田社長は森下先生から内諾を得ているのは至極当然のことと思います。