●アンジェス(株):2020/02/09 01:43
VEGFの特異的エピトープを含むDNAワクチン
に関する特許を国内に続いて米国でも取得!!
先週の2月6日にアンジェスのIRで開示された「VEGFの特異的エピトープを含むDNAワクチンに関する特許を取得」は2018年11月の国内特許に続く米国での特許取得です。
本特許は、癌の治療又は予防を目的としたDNA ワクチン(1)に関する用途特許です。生体の免疫には一般に、抗体産生による液性免疫と免疫細胞が直に対象細胞を攻撃する細胞性免疫の2種類がありますが、VEGF(2)のような液性因子の特異的エピトープ(3)を挿入することで細胞性免疫による正常な血管への悪影響を避けながら、腫瘍の血管新生を効果的に抑制し癌を治療又は予防する効果が期待されます。
(1) DNA ワクチンは、たんぱく質の設計図であるDNA そのものを体内に導入し、目的の抗原を体内で作ることにより効果を発揮します。抗原が体内で作られると、生体は抗原を攻撃する分子(抗体)を作り出し、異物を排除する免疫反応が引き起こされます。DNA ワクチンはこの作用を活用した治療薬です。
(2) VEGF(血管内皮細胞増殖因子)とは、血管内皮細胞を増殖させ、血管の形成を促す糖たんぱく質。癌・関節リウマチ・加齢黄斑変性症など異常な血管新生を伴う疾患に対しては、このVEGF の働きを阻害する治療薬が使用されます。
(3) エピトープとは、抗体が認識する抗原の一部分のこと。抗体は病原微生物や高分子物質などと結合する際、
その全体を認識するわけではなく、エピトープを認識して結合します。
アンジェスの今回の米国での特許取得は知的財産としても価値を有するものですが、日米両国で特許取得が出来たことを契機に「VEGFの特異的エピトープを含むDNAワクチンに関する特許」の技術を活用して、癌の治療又は予防を目的とした創薬事業に他の製薬会社との協業も含めて早期に着手することを期待したいと思います。