●アンジェス(株):2019/12/20 14:04
12月に入って以降のアンジェスの株価は、残念ながら空売り機関のコントロール下に置かれています。空売り機関の動きを見ると一つ目は11月22日にHGF遺伝子治療用製品の米国での臨床試験開始に対する対応は、これまでの買戻し基調を転換し、空売り機関が協調しながら空売りを強めた経過があります。11月22日の終値が770円あったものが11月29日には710円まで下げられ12月期は700円割れが定着するかどうかの局面になったのです。
12月に入ると2日から12日までの9営業日は株価700円を挟んで10数円の上げ下げのシーソーゲームを繰り返しています。こうした状況下で12月12日に、アンジェスは54億円あまりの追加出資で編集技術に秀でているエメンド社を持分法適用関連会社にするとのIRを出しました。この決断ははアンジェスが遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指していく上で避けてはならない戦略的判断であると思います。
ただ、アンジェスには潤沢な資金がある訳ではなく、今後の国内外での事業資金がどうなるかについて論議を呼ぶことは当然であるし、出資によるメリットがどのようなものであるのかを思い描けず、そのために短期の利益確保を狙う人からは当面の値上がり材料が見当たらないとして売却する人もいることは事実です。
その上、12月13日にはこれまで空売りを控えていたJPモルガンとゴールドマンサックスが空売りに参加し、両機関で当日は15万2000株の空売りをしているのです。出来高が少なくなっている状況ではそれほどの空売り数でなくとも株価の下落効果はあるのです。
では、アンジェスの今後の株価はどのように動くのか予測して見たいと思います。空売り機関の動きとしては、650円台を実現したこともあり、17日には野村インターが11万8200株の買戻しを行っています。次に個人株主のトータル力量には自ずと限界はあるものの、空売り機関が更に株価下落を狙う展開になれば、エメンド社の投資を前向きに捉える大口参入が願望ではなく現実的に予測されます。
そして、現段階では東証マザーズがジャスダックに水をあけられていますが、いずれ投資先として後発組が狙いどころとして選択される時期が比較的近いと思います。こう考えると今はアンジェスの株の売却時期ではないと思います。