●アンジェス(株):2024/07/16 08:15
米国で実施された慢性椎間板性腰痛症治療用NF-kBデコイオリDNAの後期第1相臨床試験の結果を受けて、2023年1月に日本国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、国内において製品化した場合に事業性を見込めるとして、アンジェスは国内での第2相臨床試験の実施を決定し、続く3月には国内第2相臨床試験への協力に関する塩野義製薬との契約締結を発表しています。
米国での最大投与量は10mgでしたが、国内第2相臨床試験の実施にあたっては高めるため、投与量を20mgとした先行2例の安全性を確認する取り組みが、昨年10月に行われましたが、翌11月には独立データ安全性モニタリング委員会から、既投与2例の安全性が確認さたとの報告を受けています。
この報告を受け、国内におけるNF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験は、18歳以上75歳以下を対象に先行投与の2名を除く90症例について、10mg投与30名、20mg投与30名、プラセボ対象30名に3分類し、計92名を対象に治験が開始されています。
国内におけるNF-κBデコイオリゴDNAの国内第2相臨床試験の対象者は、18歳以上75歳以下の方で、0~10までの11段階に分けて評価するNRSスコア(自己申告による痛みの指標)が4~9までの中等度から強い痛みのある患者とされています。国内における第2相臨床試験については、第Ⅱ相臨床試験の概要にもあるように、慢性椎間板性腰痛症患者さんの痛みの改善を評価するもので、観察期間は12ヶ月間で、痛みの指標となるNRSスコアの変化を見て有効性を評価していくとのことです。
現在、国内第2相臨床試験については、東海大学医学部付属病院、順天堂医院、神戸大学医学部附属病院、NTT東日本関東病院、岐阜市民病院、三重大学医学部附属病院、和歌山県立医科大学、富山大学附属病院をはじめ20カ所の医療機関の協力を得て実施されているとのことですが、5月10日に発表された2024年12月期第1四半期決算短信の中では、「当第1四半期においては、第Ⅱ相臨床試験の症例登録を順調にすすめております」と報告されています。
世界70カ国以上にオフィスを持ち、各国で医薬品市場統計書を発行してIQVIA調査資料によると、国内での椎間板性腰痛症の患者数は167万人とのことですので、治療薬の開発を期待しています。