●アンジェス(株):2023/12/26 08:15
アンジェスは企業理念として「遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指して」開発パイプラインの創薬や、子会社化したエメンド社のゲノム編集技術による難病の治療法の確立などに取り組んできました。
主力製品のHGF遺伝子治療用製品コラテジェンについては、製造販売後承認条件評価のための120例と、比較対照80例の患者登録が完了し1年間の経過観察を経て、従前申請の治験結果の再現性が確認できたとの判断から、今年5月31日に厚生労働省に条件解除に向けた本承認の申請を提出しています。ですので、これまでの販売は通常販売とは異なり、本承認を得るための条件評価を行うための販売なのです。
エメンド社が取り組組んできた、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集による治療法の確立に関する臨床入りについては、FDAとの協議で提示された課題の回答作成を行っている段階で、まだFDAからはIND申請の承認を受けるには至っていない状況です。
また、フィスコ客員アナリストの佐藤譲氏が2023年10月17日に配信したアンジェス Research Memo(10)によると「OMNIプラットフォームのライセンス供与については、バイオベンチャーからメガファーマまで合計10社程度の引き合いがきており、複数社と交渉を進めている段階にある」が、「当初は2023年内に少なくとも1件の契約締結を目指していたが、2024年にずれ込む可能性がある」と報告されています。
アンジェスの株価については高容量製剤による400症例の臨床試験で、コロナウイルスに対する中和活性、及び抗体価が期待する水準には至らなかったことから、親ワクチンの位置づけにあった新型コロナ武漢型ワクチンが開発中止という事態になったことを契機に大きく下落し、下降トレンドが今に至るも続いていることから、第42回新株予約権は約385万株が未行使の状態で行使の中断となり、また、43回新株予約権の行使も12月に入り株価も下限行使価額に抵触する状況となり、現在は行使が中断されたままとなっています。
この打開策については、アンジェスがどのような方針で臨むのかになりますが、基本的にはアンジェスが取り組んでいる創薬や、エメンド社のゲノム編集による治療法の確立が前進することが問われていると思います。