●アンジェス(株):2023/11/28 08:48
来月12月8日(金)に開催される薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は、審議される申請項目の多くが、製造販売承認の可否を決定することから、「企業の知的財産等が開示され、特定の者に不当な利益もしくは不利益を与えるおそれがあるため非公開」となっています。
アンジェスが5月12日に厚生労働省に国内製造販売承認申請をしているゾキンヴィについては、議題8として審議されます。審議項目としては「医薬品ゾキンヴィカプセル50mg及び同カプセル75mgの生物由来製品又は特定生物由来製品の指定の要否、製造販売承認の可否」となっているので12月8日にはゾキンヴィの製造販売承認の可否が決定すると思います。なお、医薬品第一部会の開催時間は、12月8日(金)の17:00~20:00となっていることから終了後に、厚生労働省から報告されるので、IRでの情報開示は場合によっては12月11日(月)になることも想定されます。
ゾキンヴィはハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)及びプロセシング不全性のプロジェロイド・ラミノパチー(PL)の治療薬として、2020年11月に米国食品医薬品局(FDA)か承認され、2022年7月に欧州連合、2022年8月には英国で承認されています。
HGPS及びPLは、希少な致死性の遺伝的早老症で、若い患者の死亡率が加速度的に上昇し、平均寿命は14.6歳と報告されています。HGPSは世界で400人、PLは200人いると推定されていますが、日本ではゾキンヴィの対象疾患の方は、難病センターの報告では、10名程度の患者数と言われています。
アンジェスは米国カルフォルニア州に本社があるアイガー社とゾキンヴィについて2022年5月に国内での独占販売契約を締結しましたが、2023年3月には厚生労働省により希少疾病医薬品(オーファン・ドラッグ)の指定を受け、5月にはゾキンヴィについて、厚生労働省に国内製造販売承認申請を行っています。
ゾキンヴィの対象疾患は国内で10例程度ときわめて稀な疾患ですが、患者さんやご家族の立場からすれば、日本でも承認してほしいと望むことは自然で当然の要望であり、それを国を含めて社会的にサポートすることは必要なことであると思います。