●アンジェス(株):2023/11/24 11:37
アンジェスがスタンフォード大学医学部が開発している改良型DNAワクチンの経鼻投与製剤の共同研究契約の締結をしたのは2022年9月です。
共同研究に合意した背景としては、スタンフォード大学ではウイルス性肺疾患に対し、広範な免疫応答を刺激し、ウイルスの増殖防止、拡散の阻止が期待される、ワクチンの経鼻投与製剤の研究が進んでおり、既に、武漢型の遺伝子配列を持つプラスミドDNAを用いて経鼻投与ワクチンを作製し、マウスを用いた実験で、血清中の抗体(IgG、IgA、IgM)が上昇することを確認されていること、また、武漢型のみならずβ株等の変異株に対しても中和活性を示すこと、組織学的な検討により、リンパ節・脾臓において、スパイクタンパク質に対する細胞性免疫反応、液性免疫反応が確認されていることがあります。
共同研究契約に締結してから、1年2ヵ月が経過していますが、動物を対象とする前臨床試験は結果が出ているようなので、人への臨床試験にも取り組まれているのかもしれませんが、アンジェスの広報では第1相臨床試験への着手や、あるいは第1相試験の治験結果の報告があったのかについては私も記憶しておりませんでした。
「I」さんが経鼻投与ワクチンに関して、現在、前期第2相臨床試験を実施中と報告されているのは、フィスコ客員アナリスト佐藤譲氏が執筆し、10月17日に配信された「アンジェス Research Memo(8)」の表題に「新型コロナウイルス感染症は前期第2相臨床試験を実施中」と記載されていることを根拠にして投稿されたものと思います。
佐藤譲氏が発表した、前回7月の発表では、前期第2相臨床試験を実施中とは報告されていなかったので、今回は取材で裏どりを行って発表したのではないかと思っています。