●アンジェス(株):2023/10/04 09:10
アンジェスはキャンターを引受先と取り組んできた第42回新株予約権の行使を、2023年4月24日に未消化となっていた385万株の新株予約権を取得し消却することを決議しています。つまり株価が本新株予約権の下限行使価額を下回る水準で推移し、その残数385万株の行使が進まなかったことから、1個(100株)当たり134円で、3万8500個分を総額515万9000円で新株予約権の行使権をキャンターから取得し、消却処分しているのです。
その2か月後の6月26日にアンジェスは、第43回新株予約権を発行することを取締役会で決議し、7月12日には新株予約権の割当先としてBofA証券が決まり、現在、第43回新株予約権の行使が進められています。
10月2日には、新株予約権の月間行使状況がIRで発表されていますが、9月の月間行使株数は306万2200株、9月の月間資金調達額は2億7397万2800円となっています。第43回新株予約権の行使は今年の7月13日から開始されていますので、8月末までに行使された分を合計すると、9月分までの行使株数は666万1400株(行使率=14.92%)となっており、9月までの調達額は6億1689万3700円となっています。
今後の新株予約権の行使を進めるにあたっての問題点は、行使期間が2023年7月13 日から2025年7月14日までとされているものの、第43回新株予約権の下限行使価額が74円となっているので、株価が80円台に入ると、下限行使価額に抵触する恐れが生じて来ます。
新株予約権の割当先となっているBofA証券は、行使数は少ないものの、株価の急落を避け、9月までに666万1400株の行使を進めて来ました。しかしBofA証券の対応だけでは、行使に限界があることは事実です。
アンジェスには株価対策を意識した広報活動を求めるものではありませんが、9月11日から13日までに開催された第29回日本遺伝子細胞治療学会学術集会にはエメンド社のCEOであるデビッド・バラム氏が演者として招待され、「OMNITMトリプルプラットフォーム技術ーCRISPRによる遺伝子編集治療の障壁を取り除く」と題した講演を行っていますので、株主が関心を持っている事柄についての報告などをアンジェスの広報の方にお願いしておきたいと思います。