●アンジェス(株):2023/09/26 08:59
慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、2019年3月に慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善を効能効果として条件及び期限付承認を取得し、2019年9月より、本承認申請の条件とされる製造販売後承認条件評価のための目標症例数であ120例の販売を行ってきました。
2023年5月31日に、条件解除に向けた本承認の申請が厚生労働省により受理されたことにより、今後、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が指名する審議委員によって審査されることになりますが、通常の薬事承認よりは、前回の条件及び期限付き承認でも審議されてきた経過があるので、5年目となる2024年3月頃までには申請の是非が決定されるのではないかと思います。
米国における取組については、2022年末までに後期第Ⅱ相臨床試験の当初目標症例60例の投与を完了し、さらに、脱落例をふまえ、2023年第1四半期に数例の登録追加を完了しており、現在は投与後の経過観察を実施しています。
米国における後期第Ⅱ相臨床試験の対象者は、2019年6月に公表されグローバル治療指針を踏まえて、下肢切断リスクの低いステージⅠ~Ⅱ度の患者を対象とした臨床試験を実施しています。具体的には重症虚血下肢とされるⅢ度の安静時疼痛やⅣ度の潰瘍や壊死を伴う患者を除いた、無症状ではあるが冷感やしびれ感のあるⅠ度、そして一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどにうずくような痛みやしびれ・疲労感があって歩行が次第に困難になり、しばらく休息すると治まるものの、また歩き続けると再び痛みだすという症状のある間歇性跛行(かんけつせいはこう)に分類されているⅡ度の患者を対象としたものです。
このステージⅠ~Ⅱ度の患者の治療はガイドラインでも、初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者の生活の質(QOL)の向上につながるとして推奨されています。米国における後期第Ⅱ相臨床試験の取り組みについては、現在行われている経過観察期間を経て、2024年前半には結果が判明するのではないかと言われています。
山田社長は昨年10月、記者からのインタビューに答えて「米国の後期第2相臨床試験のデータが良ければ、フェーズ3の結果が出る前に早期承認制度を活用して、早く市場に出す努力をしたい」と語っています。