●アンジェス(株):2023/07/05 08:57
昨年10月に、アンジェスの山田社長が東洋経済の大西記者からインタビューを受けていますが、その中でエメンド社について次のように話しています。
【大西記者】約260億円を投じた、独自の遺伝子編集技術を持つアメリカのエメンド買収が2020年12月に完了しました。
【山田社長】最近ニューヨークで投資家回りをした際、エメンドの評価は非常に高かった。これまで、エメンドは希少疾患を対象にして薬の開発をしてきた。だが会社のバリューを上げるにはそれだけでは心許ないことを、投資銀行やファンドなどと話す中で認識した。なので、希少疾患以外の遺伝病や、循環器やがんなどの疾患領域でも開発に着手している。
【大西記者】エメンドには複数の前臨床段階の開発候補品があります。どう収益化していきますか?
【山田社長】カギになるのはゲノム編集の基盤となる独自のOMNIプラットフォーム技術だ。日本のバイオベンチャーのペプチドリームをイメージすればわかりやすいかもしれないが、非独占的に技術使用権を供与し、その対価を受け取っていこうと考えている。現在数社とは具体的な交渉に進んでいる。
ただ、この技術を使って開発された候補品の開発は先方が進めるもので、こちらのコントロールは利かない。こちらのペースで薬の開発を進めようと思うなら、独自のプロジェクトをいかに持てるかが大事になる。
最も開発が進んでいる重症先天性好中球減少症の治療薬は、来年には治験入りを予定している。
【大西記者】エメンドの研究開発費の見通しは?
【山田社長】研究開発費に関してはアンジェス本体以上にエメンドに投資するつもりだ。経鼻型コロナワクチンでのスタンフォード大との共同研究なども含めて、アメリカでの開発を重点化する。
【山田社長】そのつもりだ。IPOをしないとエメンドの研究開発の資金がまかなえない。エメンドの発展はアンジェスの発展に等しい。エメンドをIPOさせるのが最優先というのが私の考えだ。ただ、エメンド株の過半は保有し続けるつもりだ。
◆エメンド社を子会社化して、早くも2年半が経過。アンジェスも、エメンド社もスモールカンパニーですが、価値創出による持続的な収益で企業運営ができるように成長して貰いたいと思います。