●アンジェス(株):2023/06/13 09:51
エメンド社のパイプラインについて、社長兼CEOであるデビッド・バラム氏が、今年1月5日に発表した企業プレゼンテーションの中では、重度の先天性好中球減少症以外にも、眼科の領域では①網膜色素変性症、②コーンロッドジストロフィー③黄斑ジストロフィーの他に、白内障に次いで失明が多いと言われている緑内障の治療法の確立について紹介されています。また、肝臓関係では①家族性高コレステロール血症については、既に研究発表も行われています。
また、山田社長が昨年10月、東洋経済の記者のインタビューを受けた際、2020年12月に完了したエメンド社の今後の経営方針について質問されたことに次のように語っています。
「ゲノム編集の領域では、クリスパー・キャス9を使った競争が激化している。だがエメンドはクリスパー・キャス9とは違う手法を確立できている。これまで、エメンドは希少疾患を対象にして薬の開発をしてきた。だが会社のバリューを上げるにはそれだけでは心許ないことを、投資銀行やファンドなどと話す中で認識した。なので、希少疾患以外の遺伝病や、循環器やがんなどの疾患領域でも開発に着手している」と。
そして、エメンドへの支援と、エメンド社自身による収益化の道筋について山田社長は次のように語っています。
「エメンド社の研究開発費に関しては、自前の収益化の目途が立つように、今後もエメンドに投資するつもりだ。エメンドには複数の前臨床段階の開発候補品があるが、10社近くの企業からこの技術を使いたい、という提案がある。日本のバイオベンチャーのペプチドリームをイメージすればわかりやすいかもしれないが、非独占的に技術使用権を供与し、その対価を受け取っていこうと考えている。現在数社とは具体的な交渉に進んでいる」と。
また、記者から「エメンドはアメリカで上場させるつもりですか?」と質問されたことに「そのつもりだ。IPOをしないとエメンドの研究開発の資金がまかなえない。エメンドの発展はアンジェスの発展に等しい。エメンドをIPOさせるのが最優先というのが私の考えだ。ただ、エメンド株の過半は保有し続けるつもりだ」と。
そうした企業方針を実現するためのも、その第一歩ととして、ELANE関連重症先天性好中球減少症の臨床入りを確実に進めて貰いたいと思います。