●アンジェス(株):2023/06/07 09:00
2023年5月10日に発表された2023年12月期第1四半期決算報告の中で、エメンド社のゲノム編集の取り組みについて次のように報告されています。
「エメンド社では、ゲノム編集の安全な医療応用を目指し、新規CRISPRヌクレアーゼを探索・最適化するOMNIプラットフォーム技術を確立しており、ゲノム編集でしばしば問題視される「オフターゲット効果」を回避できるなど、新たな特徴をもった新規ヌクレアーゼを数多く作出し、特許を出願しております。そして数多くのOMNI ヌクレアーゼの中から適切なヌクレアーゼを選択し、それをさらに標的配列に対して最適化して、これまでゲノム編集では対象とできなかった疾患を含め、様々な疾患に対する安全で有効な治療の開発を進めております」と。
エメンド社ではこれまで、血液学や、心血管、眼科などのパイプラインについて研究を積み重ねて来ましたが、その中で最も研究が進んでいるELANE関連重症先天性好中球減少症についての臨床入りに向けた準備が進められています。
エメンド社の社長兼CEOであるデビッド・バラム博士が、2023年1月5日に発表している企業プレゼンテーションの中では、アメリカ食品医薬品局(FDA)に申請する治験届けの提出については、2023年第3四半期の時期には申請を行う予定であると記述されています。
では実際の臨床入りは、いつの時期かということですが、2023年5月10日に発表された2023年12月期第1四半期決算報告の中では、「エメンド社では、ELANE関連重症先天性好中球減少症を対象とするゲノム編集治療について、2023年度中に米国での臨床試験開始に向け、FDAと協議を開始し、2022年11月に新薬臨床試験開始申請前相談(プレINDミーティング)を実施いたしました」となっているので、FDAへの申請は2023年第3四半期の時期には申請を行う予定であるとしても、臨床入りの時期はFDAとの協議期間もあり、2023年度中ということで米国での臨床試験開始を想定しているのだと思います。