●アンジェス(株):2023/02/01 09:13
昨日1月31日、アンジェスの株取引の出来高は2506万5500株で、売買代金も35億8233万3000円となりました。株価も夜間取引の状況も反映してか、始値が前日比でプラス14円の140円で始まり高値154円を付けましたが、さすがに後場は利確と、買い戻しが静かに進んでいたが、ここは一旦抑え込みを図るための空売りもあってか、終値は前日比プラス9円の135円で終わりました。
この株価の動きは、米国で後期第Ⅰ相臨床試験として実施されてきたNF-κBデコイオリゴDNAの第Ⅱ相臨床試験が、日本国内で慢性椎間板性腰痛症患者を対象とした第Ⅱ相臨床試験を行うことを取締役会で決議したと、1月30日のIRで報告したことへの反応と思います。
しかしながら、NF-κBデコイオリゴDNAの開発に係るIRの発表は、規制当局の承認を得た第Ⅱ相臨床試験の実施に関するお知らせではなく、日本において実施することを取締役会で決議したとの報告であった割には、出来高も1月の平均出来高を大きく上回る取引となりました。このことは、長く続いたアンジェスの株価の低迷から、そろそろ脱却してほしいと願っている「声なき要望」が背景にあることを物語っているような気もします。
アンジェスの山田社長も、米国で実施された後期第Ⅰ相臨床試験のトップラインデータが発表された2021年4月に「当社が開発した慢性椎間板性腰痛症治療薬は腰痛の改善、患者の高い満足度が得られ、その効果は長期に持続することが確認されました。さらに我々は、今回の結果を確認するために臨床試験をさらに進め、アメリカ食品医薬品局(FDA)および世界の他の規制当局からの販売承認取得を検討する予定です」と語っていたので、日本での実施も想定はできるものと言えます。
IRでは、「日本国内での第Ⅱ相臨床試験の実施については、国内にも慢性椎間板性腰痛の患者は多く、製品化した場合に事業性を見込めると判断し、取締役会で決議した」とのことです。今後の具体的な第Ⅱ相臨床試験についての発表は、治験実施計画書などについて、当局との協議・交渉を行った上で、具体的な臨床試験の発表がされると思いますが、日本での臨床試験の成功を期待したいと思います。