●アンジェス(株):2021/11/12 07:39
◆新型コロナ感染症予防DNAワクチン取り組みを振り返って
大阪市立大学医学部附属病院及び大阪大学医学部附属病院での新型コロナDNAワクチンの第1/2相臨床試験の投与を終えたのが2020年9月。この両大学で計60人を対象にした治験の目的は、ワクチンとして最適な接種間隔および接種回数等を検討する試験です。
続く第2/3臨床試験は12月に開始され、関西及び関東圏のエリアの8施設で500人規模で実施され、投与が完了したのが2021年3月10日です。この治験は目標症例数500例の内、用量2.0mgで2週間間隔での2回接種で250例、用量2.0㎎で4週間間隔での2回接種の筋肉内接種となっています。なお、投与間隔が異なる250例のそれぞれの治験には、それぞれプラセボを50例含む治験となっています。
この500名規模の第2/3相臨床試験の目的は、筋肉内接種における治験薬の安全性及び免疫原性の評価のため治験ですが、内容的には第2相臨床試験の内容を規模を拡大して実施したものです。が、症例数が投与間隔の異なる250例の中に50例づつ計100例のプラセボが実施されていることから言えば、第3相試験の内容を含むもので、症例数は少ないが有効性の測定が可能なのです。
この第2/3相臨床試験結果を含めて、これまで実施してきた臨床試験の結果は、
WHO推奨の国際標準品を用いて測定しているNexelis社に依頼した解析結果が、詳しく報告されていませんが、11月5日のIRで報告された内容は、「安全性に問題はなく、有効性としての細胞性免疫はある程度の上昇を確認したが、液性免疫の誘導は一部の被験者で認めたものの、期待する効果を得ることができず、さらに有効性を高める必要があることを確認しました」というものです。
こうした結果を事前に予測できたこともあり、アンジェスは8月より、ワクチンの投与量を増やす高用量製剤での第1/2相臨床試験接種開始し、11月10日には投与終了がIRで報告されています。今後は、投与が完了した高用量製剤の治験結果を分析し医薬品医療機器総合機構(PMDA)が方向付けをした3000名規模の非劣性試験に挑戦し、国際基準の承認基準をクリアしてもらいたいと思います。
国内はもとよりワクチンを必要としている諸外国にも日本の国産ワクチンを供与してもらいたいと思います。