●アンジェス(株):2021/08/23 05:11
日本をホスト国とするワクチンサミットから2カ月近くの日時を経て、7月30日のに、第1回目のワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議が開催されました。その構成は内閣総理大臣決済を経て、次のようになっています。
<ワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議>
【議 長】 内閣官房長官
【副議長】 健康・医療戦略担当大臣、厚生労働大臣
【構成員】 新型コロナワクチン接種担当大臣、新型インフル特措法担当大臣、
外務大臣、文部科学大臣、経済産業大臣、防衛大臣
ワクチンの研究開発・生産体制強化策の推進の多くは「厚生労働省がメインプレーヤーとはいえ、内閣府、外務省、文部科学省、経済産業省など各府省にまたがる対応が必要である。ワクチンの国内開発・生産は国家の安全保障にも関わる問題であり、平時においても緊急時を念頭に置いた継続的な研究開発が行われるよう関係部門の調整及び指示系統を明確にしておくことが重要であり、研究開発の調整を超えた薬事規制や国際協調、安全保障の観点までを見据えた総合的な政策を立案する司令塔機能や関係閣僚での議論の場を構築すべきである」とされています。
ただ、組織を生かして政策課題を実現するのには、それを遂行するための強力なリーダーシップを発揮する核となるものが必要でです。本来なら「ワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議」は菅総理の特命により発足したもので、総理に強力なリーダーシップがあればよいのですが、就任以来の経過を見ると、多くは期待できない思いがあります。
正直に言って、「ワクチン開発・生産体制強化関係閣僚会議」の主要メンバーを見ると井上信治:健康・医療戦略担当大臣は国産ワクチンの推進には理解と情熱をもっているように見受けられますが、議長の内閣官房長官と副議長の厚生労働大臣に両脇が固められているようにも見えるし、構成員を見ても「船頭多くして船山に上る」感が無きにしも非ずのような印象です。
にもかかわらず、一縷の望みを持つことが出来るのは、内閣官房のもとに作られた井上衆議院議員が担当大臣になっている健康・医療戦略推進本部の参与に森下竜一大阪大学大学院医学系研究科教授が就任していることです。いつまでも海外ワクチンに依存することはできないので頑張ってほしいと思います。